新しい手術治療―後鼻神経切断術

鼻閉に対する理想的な手術は、鼻の正常な構造を破壊せず、その機能を保ったまま、腫脹した粘膜を改善させる方法です。
そのひとつとして、腫脹した粘膜に分布している副交感神経を切断する手術があります。50年ほど前に確立した方法で、治療効果が高いことから一時は世界中で行われました。しかし当時の手術は、鼻の外から神経にアプローチする大掛かりな手術であった上に、涙の分泌障害をきたすという副作用があり、次第に衰退していきました。
この手術を、治療効果を維持したまま、涙の分泌障害を引き起こすこともなく、鼻内から行える手術として現代によみがえらせたものが、1997年に黄川田が開発・報告した「内視鏡下後鼻神経切断術」です。これは、内視鏡を用いて鼻腔から0.5mmほどの太さの副交感神経を露出させ、明視下に切断するという世界で始めて報告された画期的な方法です。

この報告後、本邦においてアレルギー性鼻炎に対する新しい手術治療として次第に定着しつつありますが、副交感神経のみを切断するというオリジナルな術式には高度な手技が要求されるため、一般には神経に伴走する太い動脈(蝶口蓋動脈)と一緒に切断する方法が普及しているようです。しかしながら私たちは、蝶口蓋動脈は、鼻の加温機能において主要な役割を果たしていることから、切断すべきでないと考えています。サージセンターでは、アレルギー性鼻炎の治療に必要な神経のみをターゲットとした安全で身体への負担の少ない手術を、日帰りで実施しています。
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