鼻炎・アレルギー性鼻炎(通年性)
慢性鼻炎に対する従来の治療法

保存的治療の限界

慢性の鼻炎(通年性のアレルギー性鼻炎)に対しては、喘息と同様に、現在のところすべての例を完治に導く確実な治療法はありません。

保存的治療としては、ステロイド(副腎皮質ホルモン)が唯一、多数の例に効果を示す薬です。しかしその効果は一時的で、内服を中止して暫くすると多くの場合で症状が再発します。

ステロイドは副作用があることから、連用しなければならない場合には手術治療が考慮されます。

これまでの手術の限界と問題点

1)副交感神経切断術(ヴィディアン神経切断術)

鼻炎症状は喘息と同様、粘膜に分布している副交感神経が過度に興奮しているために生じていることが知られています。喘息においては副交感神経の機能を手術的に抑制する方法はありませんが、アレルギー性鼻炎においては鼻腔粘膜の副交感神経が解剖学的に明らかになっていることから、副交感神経の切断術が行われてきました。

しかしこれまでの方法は、涙の分泌をつかさどっている神経も同時に切断するため涙の分泌障害といった副作用があり、一般的な手術としては用いられませんでした。

2)下鼻甲介手術

これまで慢性の鼻炎(通年性のアレルギー性鼻炎)に対しては、アレルギー反応を起こしている“場”である下鼻甲介に対し、腫れた粘膜の一部を切除する方法や、粘膜の中の骨だけを切除する方法、また下鼻甲介自体を切除してしまう方法などが用いられてきました。

しかしこのような下鼻甲介だけを対象とした手術では、重症の慢性鼻炎に対しての効果は一時的で、多くの場合1年程度で症状が再発します。

また広範な粘膜切除は、粘膜機能を低下させ、乾燥感や痂皮形成といった術後の問題を引き起こす可能性があります。さらにまた、骨組織を含めた下鼻甲介の切除は、一見空気の通路が拡大したような状態になりますが、羽根(フィン)状の構造が失われるために気流の乱れを生じ、かえって鼻づまりがひどくなる危険性さえあります。

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